第9章 幕藩体制の成立と展開
②幕藩社会の構造
身分と社会
≪支配身分≫武士・天皇家・公家・(上層)僧侶・(上層)神職
:苗字・帯刀などの特権
≪被支配身分≫(1. 百姓:農民・漁民・山民など)・(2. 職人)・商人を中心に多様な周縁身分(一般僧侶・神職、儒者、医者、人形遣い、役者、講釈師、日用、かわた、非人など)が存在
*それぞれ団体や集団ごとに長が決められて組織化、これにより幕府の命令が末端まで伝達される(個人<家・家長<所属集団<幕府・藩)
「被差別身分」 *著しい身分差別を受け、今日まで問題が継続
- (3. かわた・長吏):城下町近くに集住させられる
- 農業のほかに、(4. 皮革産業:牛馬の皮を使用した製品を製造)・わら細工など手工業を担う
- 領主が死牛馬の処理・行刑役を担わせたことから、「えた/穢多」の蔑称も
- (5. 非人):集団化した乞食らが町・村の番人、諸芸能、掃除、物乞いを行う
- *何れの人々も、居住地や衣服等で他の身分と区別され、賤視の対象に
村と百姓(農村・漁村・山村の他に、(6. 在郷町)も)
- (7. 本百姓/高持)が自治を行う
- *(8. 水呑:耕作地を持たない)や名子・被官ら隷属する者は参加出来ず
- 中心は(9. 村方三役)=(10. 名主・組頭・百姓代)
- (11. 入会地)や用水の利用、治安や防災、(12. 結・もやい:共同作業)などを行い、必要経費(村入用)を負担し合う
- (13. 村法)に背くと制裁が加えられる
- 年貢は村でまとめて納入(=(14. 村請制))
- (15. 五人組)で連帯責任を負う
領主による農村統制
≪税負担≫ *秀吉政権では「二公一民」が原則
- ①年貢(16. 本途物成):四公六民(のち五公五民)が一般的
- *年貢率(=免)は(17. 検見法:毎年変化)か(18. 定免法:一定期間同じ)で決定される
- ②(19. 小物成):山野河海の利用や副業に対する税
- ③その他の税(臨時、地域限定のものも多い)
- 高掛物:村高に対して課される税(全体で負担)
- (20. 国役):一国単位で課される夫役
- (21. 伝馬役):公用交通に人や馬を提供
- *農村の税負担は大きく、領主への上訴などが初期からみられる
≪農業法令≫
- 1641〜寛永の飢饉発生→その反省から様々な農村関係の法令が幕府や藩から出る
- *かつて「寛永の(御)触書」が1649年に出されたとされたが、現在は疑問視
- 同様に、「田畑勝手作りの禁」も近年見直しが進む
- 1643 (22. 田畑永代売買の禁止令)〜1872
- 1673 (23. 分地制限令):分割相続による細分化を防ぐため基準を明示
- ◎飢饉に備えて、商品作物(たばこ、木綿、菜種など)の栽培を制限し、日常の生活に及ぶまで細かく指示をすることで、農民の生活と年貢の納入を安定させようとした
町の構成
城下町には武士と商人・手工業者が集住、商人らの税負担は農村に比べて軽い
- :武家地・(24. 寺社地)・町人地・かわた町村・遊郭などが明確に区分される
- 城郭と武家地が町の面積の大半を占める
町人の自治
- 町人地に多数の小共同体である町が存在し、村と類似した組織で自治を行う
- 自治の構成員は、町内に屋敷を持つ者(=家持町人)のみ
- 代表者である町年寄・(25. 町名主)らを中心に(26. 町法)に基づいて運営される
- 町の清掃・防火・治安維持などにあたる(27. 町人足役)*後に金納し専門の者を雇用
- 土地を借りて家屋を建てて住む(28. 地借)や、家屋を借りて暮らす(29. 借家・店借)、住み込みの奉公人などは自治に参加できず
- 商人・職人はそれぞれの職種ごとに団体である仲間を形成
- 権力から当初は黙認されていたが、18世紀以降は積極的に公認され営業税(30. 運上・冥加)を納入